昔、スポーツ番組の競馬コーナーで解説をされていましたね。作家の高橋源一郎さん。
夏目漱石の作品、「こころ」がどのようのなことを背景にして生まれたのか、独自の視点で解説されています。ここで興味深いのは、”作家”がどのような社会状況や事件を背景に作品を書くのかという話し。こうした視点は一般人にはなかなかないもので、高橋さんはそれが作家の「本能」あるいは「責任感」であるとも話されています。
※大逆事件;天皇制に反対し、天皇・皇族に危害を与える行為に対して、厳しく罰する法律(大逆罪)が明治15年に制定された。この法律に関する冤罪の一つとして、1910年に幸徳秋水ら当時の社会主義者、無政府主義者が天皇殺害の計画をしたとして死刑となった「大逆(幸徳)事件」がある。この事件の影響で、当時の多くの作家や政府批判の活動家が言論の自由を奪われ、断筆を迫られた者もいた。この極限状態を背景に、親友であった石川啄木との関係を元に書いた作品が「こころ」ではないかという、高橋説。
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