朝日カルチャーセンターで2016年に行われた北山修先生の講演「日本人の心」の第2回。
テーマは「空しさと無力感」
「空しさ」や「悲しみ」、「対象喪失に伴ううつ」等について北山先生が解説されています。
この話で印象的なのは、「空しさや悲しみ、対象喪失は感じない方がいいのだけど、それを感じない人などいない」「空しさや悲しみから逃げるのではなく、かみしめる(味わう)方法とは何か?」という部分です。
「なぜ私はこんなに空しいのか、悲しいのか」「なぜ私は愛する人を失って、こんなに生きる意味さえも分からなくなるくらい落ち込んでしまうのか」
そこにはその人それぞれの“意味”や“歴史(背景)”がある。そのことが見えないうちは自分の不安や感情に巻き込まれて先が見えない。しかしその意味が見えてくると、それを味わいかみしめることができる。それが北山先生の主張です。
また空しさや悲しみから逃れるために、その努力が文化や芸術等の創造性を生み出し、時に人々を感動させることもできるのだという話もありました。大きく言えば、それも空しさや悲しみの意味のようです。
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